介護って何なんだろう。介護士と看護師は何が違うんだろう。介護を学んだり行ったりするうえでもしかしたら引っ掛かる部分かと思います。
そんな疑問に関して個人的な考えもいれながら改めて考えていってみましょう。
介護って何だろう?
介護の目的と意味は?
介護の意味って?
介護とは
障害者の生活支援をすること。または、高齢者・病人などを介抱し世話をすること
上記引用のは辞書的な意味での介護の意味です。これを素直に受け取るならよく知る意味合いでのものの他に、風邪を引いた子供の看病をすることなんかも広い意味では介護になってくるのかなと感じます。
それは看護じゃないの?というところも感じますが看護の辞書で調べてみると「病人やけが人の手当てや世話をすること」と表記されており、ぱっと見た感じではどっちも似たようなもんという感想が出てくるところ。
他にも介護福祉法やら社会福祉法で定義や概要が明記されていますが、辞書上の意味をまずは押さえれば特に問題はないかとおもいます。分野によって各々意味が変わってくることでしょうし。
介護の目的
介護保険法 第一条
この法律は、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等により要介護状態となり、入浴、排せつ、食事等の介護、機能訓練並びに看護及び療養上の管理その他の医療を要する者等について、これらの者が尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、必要な保健医療サービス及び福祉サービスに係る給付を行うため、国民の共同連帯の理念に基づき介護保険制度を設け、その行う保険給付等に関して必要な事項を定め、もって国民の保健医療の向上及び福祉の増進を図ることを目的とする。
上記は介護保険法に示されているものの引用になります。国民の保健医療の向上と福祉の増進を図ることが目的とあるので少々意味合いが違うような気もしますが、介護の主な目的は
- 介護が必要な人に対して、尊厳を保持したまま能力に応じた自立した生活を行う事ができるようにサポートすること。
- サポートの内容は入浴・排せつ・食事等の介助や機能訓練・療養上の管理などに医療看護である。
といったことになるでしょうか。
個人的な解釈を入れてさらに簡単に言ってしまえば
これが介護の主な目的になってくるのではないかと思います。
この解釈は人によってかなり幅があるでしょう。あくまで上の考え方は私が現場で活動しているときや家族介護をしているときにこれを基にしてやっていた、ということです。
介護と看護 介護と介助
介護と介助
この言葉は現場で働いていたりボランティアに行ったりすると案外よく聞く言葉ですが何か違いはあるのでしょうか?働いていた時は実はあまり考えたことがないことで、漠然とどちらも自立のためのサポートくらいの認識としてやっていました。
先に結論から言ってしまえば
介助は介護という大枠の一部になるもので、直接的にサポートする行為をさす。
(入浴介助・食事介助など)
上記のような形になっているようです。
介護はよく聞く定義として
- 日常生活を行う事が困難な方に対して生きるうえで必要なこと全般を支援すること。
とあります。実際にこの生きるうえで必要なこと全般というのは
- 食事や入浴、それにすることに必要な動作一般
- 対象者の不安の払拭などの精神的な支援を含めた生活の質の向上
ということ指しています。
介助とは文字の通り「介入して助ける」ということなので
- 日常の生活行動をサポートする手段。
であり、その主な内容の例は以下の通りです。
- 入浴介助
- 移乗介助
- 排せつ介助
先の介護の定義から考えると介助は介護のするうえでの1つの手段(行動)であり分類的には大きな枠の介護の中に介助という手段があるんだなということが分かってくると思います。
介護士と看護師の違い?
良く連携を組んで仕事にあたることの多い介護士と看護師、似たようなことをしている事も多いですがこれらの違いって何でしょうか?そんな疑問に対してこちらで考えていきたいと思います。収入面などではなく考え方やあり方の違いになりますのであしからず。
先にポイントを挙げてしまえば
介護士…必要とする人が日常生活を快適かつ安全に過ごすことができるように自立支援を専門に行うが、医療行為とされるものは行えない。
看護師…ケガや病気の人が治療や療養を目的としての医療的な行動を医師の指示で行う。
上記が介護と看護それぞれの主な役割になります。
ただ看護師は資格取得の関係上で介護の知識も必要となる為、看護師であれば介護にまつわる仕事を行う事が可能です。反対に介護士はできません。
それゆえに看護師は介護士より上である、という認識が意外と多い印象です。現在では介護部門と看護部門で別れている施設がほとんどだと思いますが、そうではなく介護看護が同部門で統括が看護師長でリーダーもすべて看護師であるというところも存在します。私もそういった施設で働いていたことがありました。
では全ての内容をカバーできるから看護師のほうが上なのか?といわれたらそうでないと思います。
専門性である医療行為の面では当然ですがそれができる看護師のほうが上手ではありますが現場における把握。つまりは利用者の日常生活に関してはより密着率の高い介護士のほうが上の傾向がほとんどだからです。単純に考えるなら
- 看護師…利用者の病気やケガに対する専門性が高い
- 介護士…利用者の日常生活に関する専門性が高い(癖、好み、その人の歴史等々)
こんな感じの違いが出てきます。もちろん一律必ずそうであるという訳ではありませんが。
現場で働いているときには必ず利用者に対する担当がつくことになるでしょうが。
「その人に対する専門家になれ」
と始めたての頃の研修で言われたことがあります。
個人的な考えとしてはそれが介護士の専門性ではないかと思うところです。
担当の利用者に関して何を聞かれても(病歴でも癖でも今までの生活歴でも)答えられるようになればそれは立派な専門性として成立するからです。
これらのことは踏まえて違いを考えていくと介護士と看護師の違いとは
- 介護士…日常生活を快適かつ安全に過ごすことができるように自立支援をする利用者の専門家
- 看護師…ケガや病気の人が治療や療養を医師の指示の元行う医療の専門家
このような形ではっきりとした違いを示すことができると思います。
最後に
介護に関することとして介護の意味や介護士と看護師の違いについて個人の意見もいれつつ考えてきました。
これらの考え方は個人や団体によって様々な考え方があり、一概にこれが正解なんだというものは恐らく存在しないでしょう。今まで示してきたことも引用を元に改めて考えてきた私個人の考え方、という意味合いが強いですが介護や介護士を知ろう、勉強してみようという方のいつの考え方として参考になれば幸いです。