介護の需要が高まるにつれ一緒に需要が高まってきている福祉用具。しかし福祉用具は我々が普段利用している家具よりも割高なものが非常に多く導入することをためらってしまうことも多いかと思います。
そういった需要に対応するため「福祉用具貸与」「特定福祉用具購入」などの制度が用意されています。こちらでは「特定福祉用具購入」に関しての手続きや注意点。制度利用でよく購入されているものについて紹介したいと思います。
- 制度利用の福祉購入について知りたい
- 制度でよく購入されているものが知りたい
福祉用具貸与や福祉用具に関する基本事項はこちらにもありますので参照してください
「福祉用具貸与」利用までの手続き、メリット・デメリットと対応品の特徴
実際に制度を使って購入するまで
- 相談・ケアプラン作成
- 商品の購入
- 提出用の申請書類の作成
- 提出
- 審査・認定
- 還付
- 相談・ケアプラン作成
- 商品選択
- 事前申請書類の作成・提出
- 審査・認定
- 購入・納品
- 事後申請書類の作成・提出
- 還付
上記は制度を使った購入までの流れになります。具体的な点に関しては以下で解説します。
償還払いと受領委任払い
制度を使った購入には償還払いと受領委任払いの2種類が存在します。最終的な出費は両方とも同じではありますが、償還払いは「全額支払いの後に一部が戻ってくる仕組み」、受領委任払いは「最初から一部のみ支払い」という違いがあります。その為手続きに若干の違いがあります。
まずは相談とプラン作成
どちらの支払い方法を選ぶにしてもまずはケアマネージャや福祉用具相談員に相談してみましょう。介護保険を利用していない場合は認定の手続き等が必要になりますので購入までには時間がかかる場合があります。
商品の選択・購入
相談が終わったら導入したい商品を検討しましょう。
- 償還払いの場合
導入する商品が決まったらこの時点で一旦全額支払いで購入となります。
- 受領委任払いの場合
この時点では購入予定の商品の選択になります。
各種手続きと審査
- 償還払いの場合
各市町村の所定の書類に従って制度利用での購入の旨を申請することになります。購入に関しては福祉用具相談員やケアマネージャの意見を記入する事が必要となります。
提出の際には提携書類の他に商品カタログのコピーや領収書が必要になります。手続きが終わったら審査を待ちましょう。
- 受領委任払いの場合
提携書類を提出するという点は償還払いと同じです。ただ受領委任の場合は制度の関係上として事前審査が必要になります。この審査が通らない場合は受領委任での購入はできませんので注意しましょう。
事前審査後に正式に納品と支払い、その後に提携書類と領収証を事後申請として提出しててつづきがは終了となります。
これらの書類関係の手続きは福祉用具相談員が代行で行ってくれる場合が多いです。気軽に相談してみましょう。
還付
すべての手続が終了し審査も通ったら後日所定の金額が還付となります。償還払いの場合は手続き時に指定した口座への振り込み、受領委任払いは販売業者への振り込みとなります。終わったらすぐ戻ってくるというわけではありませんのでその点は注意しましょう。
制度利用の際の注意点
制度理由で購入を行う際はいくつか注意点があります。
- 利用限度額は年間で10万円まで
1年間での利用の限度額が決まっており、それを超える分はすべて自己負担となります。期間に関しては4月~翌年3月末までを周期としていますので注意しましょう。
- 基本的に同一種目での複数購入は不可。
入浴補助具を2つ同時になどの同一品目は適用外になりますので注意しましょう。便座+入浴補助具などは可能です。これに関しては実際に福祉用具相談員に聞いてみるのが早いでしょう。
- 既に同一の物を持っている場合審査が通らない場合がある。
これは過去に制度を利用して購入したことがある場合で買い替えの場合に起きる可能性がある注意点です。介護需要に関わって制度の利用が増えてきたことで起きるもので審査が厳しくなる場合があるということです。財源の問題ということになるのでしょう。似たような注意点としてはポータブルトイレ購入の場合シンプルなプラスチック製は通りやすく木製は通りにくいといったことが自治体によっては起きますので注意しておくと良いでしょう。
- 制度を利用できるのは基本的に工事を伴わないものに限定
あくまで福祉用具購入という制度になるので工事が必要ないものが前提になります。工事が必要なものは別途「住宅改修」に関わる制度の利用が原則となりますので注意しましょう。
制度を使って購入できるもの
こちらでは制度を利用して比較的よく購入されている品目について紹介していきます。
腰掛便座
いわゆるポータブルトイレを中心とした排泄関連の品目になります。ポータブルトイレにはプラスチック製と木製の種類があり現在では消臭や暖房機能、ものによっては袋をセットしてスイットを入れると捨てるだけの処理をしてくれるものがあります。機能が増えるに従って値段もあ上がって行きます。価格の種類としても木製のほうがプラスチックよりも高くなります。
他にも和式便座のかぶせて簡易の様式にするもの、便座の底上げを行い立ち上がりを補助するものなどがあります。
(左)プラスチック製 (右)木製
入浴補助具
入浴に関する品目になります。主な部類としては簡易設置式の手すりや椅子などがこれにあたります。椅子に関しては普通のイス型とシャワーキャリー(車椅子タイプ)があり価格にも結構差がでてきます。手すりに関しては浴槽によっては設置できないものもあるため購入を検討している場合は自宅の浴槽に設置できるかどうか事前に調べておく必要があります。福祉用具相談員に相談してみましょう。
※シャワーチェアと浴槽手すりの例
まとめ
特定福祉用具購入の手続きと比較的よく購入されるものについてまとめてきました。介護が在宅方面にシフトしつつある現在、福祉用具に関する需要も高まっている傾向にあります。ちょっとしたものならともかく排泄や入浴に関するものは値段も高くなりがちになるため後のような制度をうまく活用して介護の負担を軽減することが重要になってきます。
デイサービスなどを利用して入浴という手段ももちろんありますが、中には自宅のお風呂に入りたい、できるだけ自分で排泄等の動作を迷惑をかけずにしたいという方も多いです。そういった時は一人で悩まずケアマネや福祉用具相談員に相談してみるのが良いでしょう。